第44回江戸川乱歩賞受賞作品です。

主人公は電子テロリスト「12」。彼は何を思ってアメリカ国防総省・在日米軍に戦いを挑んだのか?
直接的な攻撃は個人VS国家機関では不可能。しかし、あらゆる部分がコンピュータで操作されている現在。そこに入り込んで、システムを破壊してしまったら?
「12」が行ったこの攻撃は確実に相手に打撃を与え、結局、沖縄海兵隊の撤退が決定された。
しかし、「12」の真の目的はさらに別のところにあったのである。

「12」と彼のもとで人間兵器として活躍する少女。そして彼らを追うダイス。
登場人物が生き生きと、しかし切なく描かれています。これを続けていっても、待っているのは決して明るい未来じゃないのに、なぜ彼らはその道を選ぶか?そんな思いを何度もさせられます。
クライマックスの仕掛けにはちょっと度肝を抜かれました。そこまでするか?って感じです。

圧倒的なスケールで書かれ、話の中にぐいぐい引き込まれていきます。
けれど、ちょっと切ない。ラストで見えた希望が救いかな。

この作者はこの後「亡国のイージス」で3部門の賞を受賞しました。ぜひ次はそれに挑戦したいです。
まだ手をつけていないのでー。ちょっと覚悟がいる厚さなんですもの。