今野敏シリーズ第何弾目かな。
今回は『レッド』です。

主人公は警視庁から『環境問題における犯罪性に関する研究所(CEC研)』に出向している相馬。刑事だった相馬はある事件がきっかけで警視庁から出ることになったのだが、同時に仕事に対する情熱も失ってしまっていた。日々をただ惰性で送る。そんな自分に嫌気がさしながらも、それに甘んじている相馬。


そんな相馬に、ある日奇妙な出張命令がおりる。
『山形県にある小さな沼とその周辺の環境調査をしろ』と。
だが上司は、調査したという形だけが必要で、詳細なデータなどは必要ないといいきる。

やる気のもてるはずのない仕事だったが、その沼にまつわる祟りの話や現実に亡くなった何人もの人々の話を聞くにつれ、だんだん違った色合いを帯びてきて…。

そしていわくありげな出張の同行者、現役自衛官、斎木。

二人プラス地元新聞記者で調べていくうちに、この沼には祟りどころではない、とんでもない秘密が隠されていることに気づく。
東北の町に隠された秘密は、日本のみならずアメリカの大統領までも動かす大変なものだったのだ。


レッド・マーキュリーとは一体何なのか。


レッド・マーキュリーとは何かということを巡り、日本とアメリカで事態は動いていきます。それがかち合った時、グリーンベレーにネイビーシールズまで登場する派手な展開が待ち受けています。

しかし、こういった謎を追い求めていくのもさることながら、変化していく相馬と斎木の関係がこの話の重要な要素をしめています。


斎木は常に淡々と行動しているので、そうは変化していないのですが、そんな斎木に対し、さまざまに揺れ動く相馬の気持ちが興味深いです。疑い・反発…しかし、最後にはともに戦った仲間として、確かな絆が生まれていきます。


今野作品の主人公はかっこいい人もそうでない人も、誰もが必ず心の中に『正義を行う』という強い意志をもっています。そして、あがきもがきながらもそれを遂行していく。その相手がどれほど強大でも。

そんなところが痛快で私は今野作品を読み続けているのかなと思いました。