またまた東京湾臨海署安積班シリーズです。
これは表題作を含めた6つの短編から成り立っています。そのどれもが味のある話でした。


安積係長が人間味溢れる人だから、その部下や仲間もいい奴ばかりで、それが一つ一つの話を魅力的にしています。

中でも表題作の『最前線』は微妙に安積から煙たがれてる感じの村雨のよさが描かれていて、なんかホッとしました。
『射殺』においても、日本の警察は組織で動くんだと安積はアメリカの刑事に言っていますが、安積班+速水のチームとしての素晴らしさはこのシリーズの肝ですね。


あとがきにもあったけど、踊る大捜査線の10年前に同じ地を舞台にした、こういう小説があったということで、その関連も考えてしまいます。

全体的な雰囲気は全くの別物で、コンセプトも明らかに違うわけですが、捜査のあり方や本庁と所轄の姿など共通するところは多いですからね。
踊るマニアの私とすれば、だからこそこのシリーズにもハマっているわけです。