今野敏シリーズです。今回は「曙光の街」。

帯には次のような文が書いてあります。
『男たちの挫折と再生を描くネオ・アクションノヴェル!
元KGBの殺し屋、プロ野球選手崩れのヤクザ、警視庁公安部の警部補。三人の男が緊迫した戦いの果てに見いだしたものは―。』


抱えているものは全く違う3人の共通点、それは今の自分に満足していないということ。
ヴィクトルと兵藤に関していえば、満足していないなんて生やさしいものではなく、「死んだも同然」の日々で、いつ死んだってかまわないとさえ思っています。

この3人が一つの暗殺計画に関わりあったことで、投げやりだった毎日では気づかなかったことに気づき、そして3人の心情は大きくかわり始めたのです。


暗殺者、暗殺を阻止しようとする者、警察…しかし、背景にあるものは当事者が考えるよりずっと複雑なものでした。


3人の心情の変化ももちろんだけど、脇役も魅力的で、ぐいぐい読まされました。


挫折から立ち直ったとは言い切れないけど、挫折を知って優しく強くなった男たちの姿は、やはりガンバってと声をかけたくなります。


そして、そんな彼らの姿になんとなく涙がこぼれるのでした。