直木賞を取った三浦しをんの小説です。
五條瑛の小説に出てくる人々にどこか通じるものがあるけど、彼らよりはもう少し日向を歩いているかなという二人が遭遇するちょっとした事件の数々。


便利屋をしている多田とそこにひょんなことから転がり込んできた行天。
二人は高校時代の同級生だが、友だちでも何でもなく(何せ行天が高校時代に発した言葉は『痛い』のたった一言!)、ただ多田が行天に微妙な負い目を感じていたために、不思議な共同生活を続けることになった。

この二人のキャラクターが魅力的で、ホロリと涙が出たり、くすりと笑ったり…飽きずに読ませてくれます。
破天荒だけど憎めない、それでいて心に大きな闇を抱える行天。
極めて真面目で常識人で、しかし誰もが持ちうる負の感情によってたまたま起こってしまった二つの不幸によって、大きなトラウマを抱えてしまった多田。


この二人に関わってくる人々も、それだけで一本の話が書けそうな人ばかりです。


もがき苦しみながらも、みんな頑張って生きている。けれど、明日からも頑張ろうという大きな活力は、他者との関わりの中から生まれてくるんだなと改めて思いました。


ぜひ、続編が読みたいです。マンガにもなってるそうだから、まずはそれを読んでみようかな。あの二人がどんなビジュアルで描かれているか楽しみです。